2001年10月2日未明、一人の若い音楽家が亡くなりました。
1967年函館生まれの彼は、80年代半ば頃より大阪を拠点に幅広く演奏活動を行い、90年代には既にその音楽活動の場を海外に求め、
小規模なギグながらその独自性は早くから注目されてきました。
一般にフリーミュージックと呼ばれるカテゴリーの中にあって、決してその事にとらわれることなく様々な分野のミュージシャン達と貪欲なまでに
セッションを繰り返し、その過程で学び取った知見を次の実験へと展開しながら、それが純粋に音楽上のものであるとないとに関わらず常に新た
な問題を投げかけて来ました。音楽のみならず、現代美術作家、舞踏家、ダンサーらとの交流も多く、それら他分野とのコラボレーションを
通して行ってきた多くの実験は、さらに完成度と独創を増しつつあった時期であり、その急逝が惜しまれます。
冥福を祈るとともに、他に類を見ない彼のアイデアと業績をより多くの人々に紹介すべく追悼イベントを行います。
*4月26日(月),29日(祝)両日ともささやかなパーティーを行いますので是非お越し下さい。

1995年2月ミノヤホールにおいて、MCより抜粋
「去年の11月に中国に行ってきたんですが、中国の現代美術作家十数名と話をして来まし
た。彼らは今、政治的な状況があって言えないことが沢山あるわけですが彼らと色々話しまし
た。現代性、現時間性というのはもしかしたら、僕らはこのポストモダンの王者、もしかしたら
それ日本人以上にもっと進んでいるんじゃないか。それは問題意識の違いというのが、実際
に彼らの生活している中で色々な問題があってそこからいわゆる問題意識というのが強いんで
あって、日本人はだいぶその辺がだいぶ希薄になってきている、そういうのが僕らの世代なのですが
現実的に生活に関連した、もしくは作品を制作していく上で自由に関連した問題というのはす
ごく大きいなということです。北京はまだ現代美術の画廊というのはひとつも無くオーストラリア
人がやっているコマーシャル画廊がひとつあるんですが、そういう状況下の中で彼らが作品を
作っているというのはものすごく感動させられるものがあるし、それから来年の8月に彼らは日本
に来るんですよ、皆さん見てほしいんです。今回は全部出来ていないんですけど僕のリアル
タイムミュージック、映像もプラスしてやってみたんですがやっぱりこのー、スピーカーとばした
りやってますけど常にそのー今日の朝まで実験をやっていて、舞台に上がって実験をやってい
るという段階で、エンターテイメントにはなり得ないなあというのがひとつあります。現時間性を
追及するとなるとすごく難しくて現時間を把握するということは未来を予測するという、現時間か
ら未来を予測するという、そういう方法が有るのかなという。有るのかなというよりは有るのでは
ないのかなという仮定ですすめていくんですが、なかなかやっぱり難しい。それか、、、らどう
していったらいいのか方法論の確立からまたやり直していく。また数ヶ月後にやります、その時
また来てください。ありがとうございました。」

主催:リアルタイムピクニック実行委員会(福本タダシ/杉山信夫/荒木仁志/玉城正紀/ウエダリクオ)
協力:渋谷家　協賛:galerie OU、Art Base Null、橋本年男基金

galerie OU (ぎゃるり・うー)　大阪市中央区谷町1-3-1 双馬ビル9F 06-6941-5587
京阪または地下鉄谷町線・天満橋駅下車、地下鉄3番出口より谷町筋を南へ徒歩約1分。
1Fに“そばよし”のあるビルの9F*エレベータは8階までです9階には階段をご利用下さい）